久しぶりに「温故知新シリーズ」です。
書経から。ほんとに久しぶり。渋沢先生から半年たってます…。(笑)。
舜帝の時代の話です。舜帝とは、
舜(䑞、しゅん)は中国神話に登場する君主。五帝の一人。
中国の偉い王様です。人民から臣下からとても慕われた聖君です。
舜典から引用します。即位の際、各役割に役人たちを配置するときの話です。
まず十二州の牧(おさ)たちにそれぞれの政務を問いただしたのち、
「謹んであたらなければならないな。外は円国をなつけ従わせ、うちは隣国を親和させるという政治(まつりごと)に。それには誠実な徳を備えた人を心から尊んで用い、口先だけの巧みな人を退けるようにすれば、遠方未開の人々も付き従うようになるのだ」
引用文献 p24より
「誠実な徳」と「口先だけの巧みさ」。
見た目は大切だけれど、中身が充実していることが、まず条件。
それができれば、遠方未開の人々ともやっていけるそう。それはいいですね。ぜひそうなりたい。がんばりたい。…自戒。
(そして教育担当を任命する際には)
「もろもろのやからどもは親しみあわず、人々の五品*1の道はなごやかに治まってはいない。そなたは司教となり、心して親・義・別・序・信の五教を広めよ。五教を行うには寛容であるようにせよ。
引用文献 p24より
教える時には、寛容であるべき。うんうん。
解説にはこうある。
呂氏春秋誣徒(ふと)編には
「達師の教は、弟子を安心させ、楽しませ、休(いこ)わせ、遊ばせ、つつしませ、はばからせる」とあるように、寛容のうちに導くというのが伝統的な考え方であった。(略)
論語陽貨編に「寛であれば衆の心をとらえる」とある
引用文献 p40より
ゆるゆる行きたいです。心がざわざわすることなく、寛容になれたらいいなぁ。
舜帝は、やさしんですよね。罪人に対しても、なるべく反省を促し、生きなおしを応援するような刑罰の法律を決め、厳正に罰するように努めたようです。
罪人には常人と異なる衣服をつけさせて恥じ入らせる象刑に置き、
その刑が肉刑の五刑*2に当たるものも情状酌量して追放に処するようにし、
官吏の犯罪者にはむち打ちの刑を加えて辱めることとし、
学業の上で罪過を犯した者には杖打ちの刑を加えて道の尊厳さを反省させることにし、
無作為に罪を犯した者には金で償わせ、
ことに災難によるときは刑を緩めてゆるすようにし、
だが常習犯は死刑に処することとしました。
こう定めたうえで、さらに
「慎重の上に慎重を期せよ。刑罰の執行というものはくれぐれも注意せねばならぬぞ」と教えたのです。
引用文献 p23より
それから若者への指導に関しては、
若者たちに教えるには、
その考え方はまっすぐに筋を通しながらも温和さがあるようにさせ、
その心は寛(ひろ)やかでしかも厳しさがあるようにさせ、
その気象は剛毅でしかも他人をしいたげることがないようにさせ、
物事を処理するには簡(おおま)かでしかも傲り高ぶることがないようにさせよ。
引用文献 p25より
究極です。メリハリ。緩めるときは緩め、締めるときは締める。
難しいとは思いますが、目標にしたい。
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なんだかね、このニュースをみて、もやもやしてたのです。
もちろん、税金を適正に納めるために、マイナンバーとキャッシュレス決済をつなぐのは、当然の行方だと思うのですが、なぜこんなにもやもやするかと考えた。
不信感だな。信用してない。
パートのお給料が30万とかカップラーメンに600円払えちゃいそうな人がいる中で、「明日の生活どうしよう」という人から消費税10%を負担してもらうんでしょ…。
「そうですね。国民みんなで助け合わないとね」
と素直に思えないのよ。
舜帝の爪の垢などいかがですか?
選挙に立候補する際には「論語と書経」を読むことを条件にしたらいいんじゃないでしょうか…w。
周りがどうあろうと「みんなで助け合わないとね」と、思えるヒトになれるように、自分を変えたいなぁと思って、私も鋭意努力中。
黒keroyon
引用文献:赤塚忠著 平凡社「書経・易経(抄)」
引用ページは各抜出部に記載。改行、漢字等の表記は改変しています。
私が読んでいるのはこちらですが、借用品なので、 こちらを購入しようかなぁと思っています。