この番組は関東地方では5月に放映されたドキュメントだそう。
東海地方では、先ほど(深夜2:00頃)放送されていた。
石崎美恵さんというおばあさんの人生の話です。
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石崎さんは東京でずっと生きてきた。25歳?で母親を亡くし、その後父親が介護状態になり、4年?程父の介護をする。
結婚はせず、アルバイト等で暮らしていたが、突然リウマチを発症、両足の自由が制限される。
病気で働けなくなった石崎さんは、福島楢葉町のキャンプ場で住み込みの管理人をする。住み込みなら家賃光熱費は負担がないので、6万の年金でもなんとかやれると考えたから。
山の上で猫や犬と暮らす石崎さん。皆から「仙人のおばちゃん?」と呼ばれ慕われていた。
しかし、そんな細々とした幸せな生活ですら、原発事故がぶった切る。
歩くのがやっとな石崎さんを、知り合いが車で迎えに来ようとするが、地震の土砂崩れで道が寸断されて、車では山の上までたどり着けない。知り合いから「迎えに行けないから、110番するように」。警察官が山の上まで歩いて救助にきて、担架に乗せてもらい避難した。原発事故2日後の深夜だったそう…。
その後、学校の体育館、公民館、どこかの旅館など、用意された避難所を転々とする生活。その後福島市郊外の公営住宅?に住むことになる。
90を超えた彼女は、車いすでしか移動できなくなっていた。出かけるのは月に一度のクリニックへの、通院のみ。友人が車で連れて行ってくれる。家には週に2回、ヘルパーさんが来て、掃除や入浴をさせてくれる。「できるように暮らす。服も買わないし、あるものでなんとか。」
「献体に登録してあるから、終わったらここに電話してもらうの。」という。
「いままでなーんにも社会の役に立ってこなかったから、死んでから役立ててもらうの」という言葉に、インタビュアーは「迷いはないんですか」
「あなたは迷うんですか?」
「…そうですね、すぐは決められないです…」
平成最後に、桜を見に連れて行ってもらい、そこできく鶯の声に、楢葉町のキャンプ場での生活を思い出し、涙ぐむ彼女の姿でエンディング。
山での満天の星空や、朝日の上る景色、雪景色などが忘れられないとつぶやいたお顔が印象的…。
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突然の病気や東北の震災や原発事故、いろいろなことに翻弄されてきたおばあさん。TVに映るその姿からは、理不尽な災難を全て受け入れ、その中でここまで生きてこられたことに対する感謝しかなくて、すがすがしささえあり。
「献体」に関してのやり取りが、心に残る。
インタビュワーの「迷いはないんですか?」と聞くと、聞かれたこと自体が理解できないようなそぶり。違う世界に住む人同士の会話のような違和感が興味深かったです。
- 供養してくれる親族がいない
- 役に立ちたい
しっかりとした価値観をもって、「献体」を選択した石崎さん。インタビュワーの人には、おそらく家族がいて、親族がいて、選択肢やしがらみがあるから「迷う」のかな。
あの澄みきったすがすがしさは、いろいろな災難にあっても、逃げずに立ち向かい、人生を選択してきた、体験と価値観によるものなのかなと感じました。
それから。
居所を転々とされてるけれど、病院に連れて行ってくれるご友人がいたり、避難を促してくれる知人がいたり。
すべてのご縁に感謝している雰囲気のお姿。このお人柄で人が寄るのかな。
私の目指すところを見たような気がしました。
私も何とかなるのかなぁ。なるといいなぁ。←タリキ!?
keroyon