A子ちゃんが言った。
***
ビー玉遊びをしていた子どもたち。それを見ていた私。
A子ちゃんが、止めては行けない(上級生の子の)ビー玉を、足で止めてしまった。
(もしかしてアウトにならないように止めたのかも?)と思ってしまった私は、
「あれ?止めちゃだめでしょ?」
少し強く言った。
すると、A子ちゃん。何かにつけて私に突っかかってくる。
A子ちゃんは子どもたちのリーダー的存在なので、A子ちゃんのまねをして、他の子達も私に言葉のトゲを投げかける。
1対1ならなんとかなるけれど、四面楚歌ではなんともならず、
言葉の攻撃に対してはスルーを決め込んだ。
するとしばらくして、
「私、少しイライラしているの。」
A子は言った。
「そっか。おうちで嫌なことあったのかな。ほんとだ。心がなんだか寂しそうだね。」
遊びに夢中になっているときには言葉がきつくなることもあるA子ちゃんだけれど、このときの言動は明らかにいつもと違っていた。
「先生、ごめんね」
唐突にA子ちゃんが謝ったので、私はびっくりした。
「私こそ、強い言葉で叱ってごめんね。わざと(止めたわけ)じゃなかったんだものね」
私も謝った。
先に謝ったA子ちゃんのほうが、
私より大人だった。
keroyon