勇気をだして、言ってくれた言葉には力があった。
***
Iくんは2年生。
でもおそらく平均的な二年生の子より、がまんする力の育ちが少しおそい。
だからかまってほしくて相手の嫌なことをしたり、思うようにいかないと言葉で表現する前に体が動いちゃう。
そんなIくんがお友だちとゲーム勝負。
なかなか思うように勝てず、癇癪を起こした。
「ちょっと落ち着こっか」と静かな部屋に連れていくが、
落ち着かないから私を叩く。
ドアを締める時に、私もよろけて、Iくんの手がドアにぶつかった。Iくんは「痛い」と泣きながら、私をパンチした。
他の先生は、パンチしたところしか見えなかったので、
「Iくん、K先生に謝らないとね」
まだまだ興奮してるIくん。
「Iくん、私がよろけた時、Iくんの手がドアにぶつかっちゃって、痛かったよね。ごめんね。でも、Iくんのパンチも痛かったな。謝ってくれると嬉しいな」
Iくんは落ち着かない。
他の先生に任せて、私は持ち場に戻った。
***
Iくんの帰宅の時間。
Iくんがもにょもにょしている。「ぼく、この先生きらい」(と私を指差す)
「そっか、今日はいろいろあったもんね。嫌い、と言われるとちょっと寂しいけど、また月曜日元気で会おうね」
私がそう言うと、
「ごめん」
Iくんが謝った。
言わされたのではなく、自分から。あのIくんが。
私はあまりに唐突でびっくりした。
「わーい、謝ってくれて嬉しいよ。頑張ったね。ほんとにがんばったね!
また月曜日、一緒に遊ぼうね!」
***
この一言で、
私もとても幸せな一日になりました。Iくん、ありがとう🍀。
keroyon