ただのメモ。

悩みとグチと苦労と不幸と幸せは、気持ちの問題。それぞれに相関はないんだよ。

「孔子さま…それは買いかぶりでは?」詩経から論語へ<論語#23><詩経#7>

こんにちは。keroyonです。
今日は仕事を休んで、用事を済ませたり普段できないことをしたりしてました。
…どうどうたる昼寝とか…。こっそり昼寝はしているから…(-_-)。

 

少し時間が取れそうだから、久しぶりに「温故知新プロジェクト」いきます。
今日はこちら。

 

論語 巻第九 陽貨十七 10より

先生が伯魚に向かっていわれた、「お前は周南と召南の詩を修めたか。人として周南と召南の詩を修めなければ、まあちょうど塀をまん中にして立っているようなものだな。(何も見えないし、一歩も前進できない。)

 

*伯魚は、孔子の子、鯉のこと。
*周南と召南の詩ー「詩経」の国風(くにぶりうた)の最初の二地方の歌。周公と召公の徳化による道徳的なものとされる。

 と、私の持っている、岩波書店の「論語」にはあるんです…。

国風の「周南・召南」は、平凡社の「詩経・楚辞(中国古典文学大系15) 」でいうと、p4~p20。以前紹介した「甘棠(かんとう)の愛」以外は、keroyonフィルタに何も引っかからなかった項目でございます…(>_<)。

甘棠(かんとう)の愛とは。<詩経#3> - keroyonの『日々精進』日記

 

例えば周南から一つ。

桃夭(とうよう)

 

桃は若いよ 燃え立つ花よ

この娘(こ)嫁入り よい花嫁御(はなよめご)

 

桃は若いよ 大きいその実

この娘 嫁入り よい子を持ちゃろ

 

桃は若いよ 茂ったその葉

この娘 嫁入り お家の栄え

 

*嫁に行こうとする若い娘を祝する歌。(略) 女性を花に喩えるのは今も昔も同じながら、ただ花ばかりでなく、茂った葉も、大きい実も同じくめでたいもので、明るい桃の花、しんしんと茂る葉、大きいその実は、若い娘の健やかな美しさと、やがてよい子をもって、家の栄える象徴でもあろう。

 

召南から一つ、

草蟲(そうちゅう)

 

つゆ虫鳴いて いなご飛ぶ

逢わでいる間の やるせなさ

逢うたら ねたら 胸はれよう

 

南の山で わらびとり

逢わでいる間の うさ辛(づら)さ

逢うたら ねたら 嬉しかろ

 

南の山で 薇(ぜんまい?)とり

逢わでいる間の 悲しさよ

逢うたら ねたら 安堵しよう

 

*草摘みの歌。夫に別れている間の寂しさ。やっとその帰りを迎える喜び。季節の移りゆきに感ずる女心。(略)朱子は、留守居の妻が夫を思う歌とみながら、なお、文王の化をうけて風俗が正しくなった南国の、諸侯・大夫の歌だなどと言っているのは、やはり二南の詩を文王の化に結び付けて解釈する旧説から免れ得なかったのである。

こんな感じです。

こういう歌を、「文王、武王の善政を継承する周公、召公の徳化による道徳的なもの」とするのは、どうなんですかね…

そうそう、「詩経」の「周南・召南」の解説の中でこんなことがかかれています。

なお旧説では、これら二南の詩はすべて文王の徳化を被り、人心正しい風俗の中から生まれた詩ということになる。ことに二南は男女の相思を歌ったものも多いので、古来の注釈家は、聖人の化は、まず家を斉(ととの)え、夫婦の道を正すところから始まるということで解釈し、周南は后妃の徳、召南は諸侯婦人の徳を歌ったものとして解している。朱子もこの二南においては、やはり文王の徳云々にとらわれたのか、せっかく無邪気な相思の歌をも、大夫の妻が夫を偲ぶ美徳の歌というように強いて解したのである。

 

「これらの詩を勉強しないと、人としてどうよ」的な発言を、息子にする孔子さまって…、ちょっと買いかぶりじゃないの?と思ってしまった、小市民なkeroyonなのでした。

 

とはいえ、時・場所を問わず尊ばれている、孔子さまのことなので、

 

「周(文王・武王)の時代には、民の暮らしが安定しているから、男女の愛が語られる時点で、文王・武王の政治を見習うべし。」

マズローの欲求段階』でいう、生理・安全的欲求は満たされてるってこと?

マズローの自己実現理論 - Wikipedia

なのかなぁ。と、前向きに解釈してみたりするのでした。
ちゃんちゃん。

 

だんだん、「温故知新プロジェクト」もネタがつきてきた?
詩経」は読んでみたかったけど、「書経」「礼記」は…。
どちらかというと「老子」とか「孫子の兵法」とかをしっかり読んでみたいなぁ。

 

ぼちぼち考えます。
おすすめ本などありましたら、お教えいただけるとうれしいです。
…できれば、自己啓発的な解釈本じゃない、中庸な解説のものが希望です。押しに弱いので。

 

こんなところで今日は、おしまい。
あっ、今日はゆるゆる金曜日じゃないですか。たのしくいきましょ

 

では、今日もお付き合いくださり、ありがとうございます。
よい週末をとなりますように、お祈り申し上げます~🍀🍀🍀!

 

※出展:訳 金谷治論語」 岩波書店
    訳 目加田誠 「詩経・楚辞(中国古典文学大系15) 平凡社

論語 (ワイド版岩波文庫)

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